動物と共生する社会の推進について

 初めに、私ごとで恐縮でありますが、我が家でも体重三十キロ近いラブラドールレトリバー犬を室内で飼っております。名前はハナちゃん、もう十一歳になりました。朝晩の散歩をはじめ、世話はそれなりに大変ですが、実に多くのものを教え、与えてくれたように思います。癒し、安らぎ、生命の尊さ、そして時には夫婦げんかの仲裁も。また、議員の家の犬らしく、支持者拡大にまで役立ってくれ、ハナちゃんのおかげで相当票が増えたのではと思っております。
 愛犬自慢の余談はさておきまして、ストレス社会とも言われる現代社会だからこそ、多くの人々が私と同じようにペットに魅せられ、今や空前のペットブームが到来しております。しかしその反面、様々な問題が発生していることも事実であります。飼うことを途中で投げ出す飼養放棄と、結果としての致死処分をはじめ、虐待、飼い主のいない猫をめぐるトラブル、ふん公害、危険動物の登場、感染症対策、取扱業者の監督指導などなど、動物行政も、こうした社会状況の変化に合わせて的確な政策で対応していかなければなりません。
 そこで、提案を含めまして何点かお伺いいたします。
 まず、致死処分される不幸な犬、猫を減らすための具体的な取組であります。本県では、関係職員の皆様の懸命な努力にもかかわらず、平成十六年度における致死処分数は、犬が約四千匹、猫が約四千四百匹に上るのが現状であります。そこで、致死処分数を減らすために、
一、リアルタイムで収容動物情報をインターネット上に公開する。
二、個人だけでなく、団体も含めて成犬、成猫の譲渡に積極的に取り組む。
三、収容期間の延長などの方策を実施してはいかがでしょうか。
 いずれも東京都では既に実施され、効果を上げている方策であります。
 次に、県と市町村との連携強化であります。例えば野良猫、つまり飼い主のいない猫の問題を解決するには、市町村の協力が不可欠です。一方では、猫にえさを与え、去勢や避妊手術まで自費で行う人々がいる反面、猫のふんや鳴き声で迷惑している人には、それらの行為が苦々しく思える。こうして猫問題が住民同士のトラブルに発展してしまうこともしばしばです。こうした問題の解決には、県と市町村が協力して調整力を発揮すべきであります。
 やはり東京都では、飼い主のいない猫の問題にいち早く乗り出し、都、区市町村、ボランティアを含む地域住民の三者共同での取組により、一定の成果を上げております。飼い主のいない猫問題をはじめ動物行政においては、市町村と連携し支援していくことが県の役割として重要と考えますが、いかがでしょうか。
 第三に、個体識別のためのマイクロチップの普及促進であります。読み取り機(リーダー)の早期整備を含め、マイクロチップの普及策について伺います。
 第四に、基本計画の策定であります。「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正されたことにより、都道府県は、国の指針を受けて動物行政に関する基本計画を策定することになりました。本県内にも動物愛護に極めて熱心な個人や団体が多数おられますが、そうした力を結集し調整していくことが、動物行政では不可欠となります。そこで、基本計画策定段階から有識者や団体の声を積極的に取り入れていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 今後の動物行政が取り組むべき課題は多岐にわたっておりますが、動物と共生する社会を目指しての努力に期待しつつ、以上四点について、保健医療部長の御見解を伺います。
 関連して、都市整備部長にドッグランについて伺います。
 私の提案を御理解いただき、地元の所沢航空記念公園内に県として第一号のドッグランが今年二月に開設され、以来、大変多くの愛犬家から好評をいただいております。一年間は「試行」という冠がついての実施ということになっておりますが、現在までの評価と今後の対応について、まずお伺いします。
 また、私のもとに、是非我が地域にもドッグランを整備してほしいという声がしばしば寄せられております。比較的安価な予算で県民に大変喜ばれる施設として、ドッグランを県内の他の県営公園にも整備してはどうかと思いますが、御見解を伺います。




中村健二保健医療部長   まず、致死処分される不幸な犬・ねこを減らすための具体的な取り組みについてでございます。
 不幸な犬やねこを減らすためには、終生責任を持って飼うという飼い主の強い自覚と、ペット動物を捨てることは犯罪行為であるということの周知が必要と考えます。このため県では、動物の虐待防止に係る事業や動物愛護推進員による犬などの譲渡の斡旋、飼い主への助言など、様々な取り組みを行っているところでございます。
 議員御提案の成犬・成ねこの団体への譲渡につきましては、譲渡先が広がり、多くの命が助けられるという良い面がございます。一方、結果として団体によっては多頭飼育となったり、十分な管理ができなくなるという危惧もあることから、その進め方について、今後、検討をしてまいります。
 また、収容動物情報のリアルタイムでのインターネット公開や収容期間の延長に関しては、飼い主の発見や里親探しに有効であると認識しております。
 現在、本県でも、インターネットを使っての里親探しの仲介や飼い主のいると思われる犬・ねこの収容期間の延長について、一部実施しているところでございます。
 今後、東京都の取り組みも参考にしながら、収容期間の延長を含め、インターネットの活用について、更に研究してまいりたいと存じます。
 次に、動物行政における市町村との連携・支援についてでございます。
 県では、議員御指摘の飼い主のいない猫問題をはじめ、犬の糞や多頭飼育などは、地域での取り組みが不可欠な課題であると認識しております。このため、市町村が有している地域の調整能力を生かして、問題解決に当たることが重要であると考えております。これまでも、狂犬病予防注射などを通じて、市町村との連携を進めてまいりましたが、今後は、こうした問題に対しても、より一層の連携の強化などを図ってまいります。
 次に、個体識別のためのマイクロチップの普及策についてでございます。
 マイクロチップは、飼い主の早期発見に加え、飼い主の責任が明確になり、捨てねこなどの未然防止に効果があると認識しております。
 今後、埼玉県獣医師会の御協力のもと、マイクロチップの有用性を広く県民に周知するなどして、その普及促進を積極的に行ってまいります。また、マイクロチップの読み取り機の整備についても、検討を進めてまいります。
 次に、基本計画の策定段階における有識者や団体の声を取り入れることについてでございます。
 動物愛護管理推進計画の策定に当たりましては、有識者や動物愛護推進員、民間ボランティア、動物取扱業者など、幅広く県民の意見を伺い、皆様の声を反映してまいります。
 今後とも、人と動物の共生できる社会づくりの実現に向け、動物行政の施策の推進に、努めてまいります。



樋口和男都市整備部長   まず、所沢航空記念公園において試行しておりますドッグランの現在までの評価と今後の対応でございます。
 本年2月から、ドッグランの試行につきましては、地元のボランティアの方々に御協力をいただき、現在まで大きなトラブルもなく、円滑に運営されております。
 これまで、この施設は一日当たり平均で約90人の方々に御利用いただいております。
 また、試行期間中のアンケート調査によりますと、犬を飼っていない方も含めて約88パーセントの方々から「公園への設置は必要である」との回答をいただいております。
 これらのことから、県では、ドッグランは多くの方々に公園施設として受け入れられている状況であると認識しております。
 今後の対応につきましては、アンケート調査の結果や利用状況を踏まえ、この施設を継続する方向で検討してまいります。
 次に、他の県営公園におけるドッグランの整備についてでございます。
 ドッグランにつきましては、施設の管理運営を行うボランティア組織の確立や地元の市町村の協力が是非必要でございます。
 したがいまして、今後、地元の協力体制や利用者等の意向も伺いながら総合的に検討してまいります。